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それはどう見ても鏡でしかない、その場にいた者達は皆、そんな感想を抱いた
ムウは修復に役立つのだというが、はっきり言えば工具の類ではない
「サイキックには色々と得手不得手というのがあるんですよ、それはよくある話です
確かにテレポーテーションはシオン様だって認めてくださってますが、私はサイコメトリーは苦手なんです」
「サイコメトリーというと、触れた物体から記憶を読み取るというあれか?」
「ええ、あの能力に関して、あの方は他の追随を許さないほど優れた力を持っておられます」
成程、と首肯こうとして皆が一つの疑問に思い至る
「教皇がサイコメトリーを得意となさっているのは解った、だがその鏡と何の関係がある?」
「この鏡は対象物の記憶をビジョン化して投影するのですよ、死んで時間の経ってしまった聖衣などは
どうしても細かな意匠などが掴み辛い、それをサポートするために使おうと思いましてね
あの方に言わせればそんな事をしなくとも聖衣が教えてくれるだろうというのですが
それは結局、シオン様のサイコメトリーの能力に拠る所も大きいのですから」
アイオリアの問いにそう答えると、ムウはその鏡を壁に立てかける
「なぁ…それって聖衣の記憶だけしか読み取れないのか?」
ミロがそう口を開くと、怪訝そうに眉を寄せ首を横に振る
「対象物は聖衣とは限りませんよ?例えば今私達がいる、この白羊宮自体も記憶を読もうとすれば…」
そこまで言ってミロが言いたい事を悟ったらしく、少し悪戯めいた笑みを浮かべる
「成程…悪くありませんね…あの方々が若かった頃というのは私も興味がある」
「この場所の記憶を読み取るとするならば、こうやって鏡を床に置いて…この場に宿った記憶を遡るイメージを…」
そう言いながら床に置いた鏡に手を添えると、ムウはそれに小宇宙を注ぎ込む
「………おぬしら、何をやっておるのじゃ」
「あっ!老師、何故ここに?!」
その場にいた者達が振り返ると、少し呆れたような顔で腕組みをした童虎が歩み寄ってくるところだった
と、同時に鏡が甲高い音を放ち、辺りが真っ白な光に包まれる。
「シオンがしばらくは日本から戻れんので様子を見て来てくれと頼まれたのだが…何の悪戯をしよったのやら」
「ああ、出立の前にアテナに何やらお伺いを立てねばならない事があると仰られていたようですね」
目を離すと何をしでかすか分からないのは日本に居る青銅の少年達だけではない。シオンはそんな事を言っていたが
それに関しては冗談だろうと言いながら請け負ってきたのだが、あながち間違った予測ではなかったようだ
光が治まった周囲の様子を伺うと何らかのビジョンを映し出しているようだと理解できた
「……おい、ムウ…これ、いつの時代だ?」
「一応、前聖戦の始まる少し前くらいを意識したはずですけど…どう見てもシオン様ではありませんね…まさか違う場所?」
「ここの装飾の感じなどからみると白羊宮には違いないな、やっぱり時代を間違ったのではないか?」
ミロの言葉に困惑しながら返事をするムウだがアイオリアの言葉に困惑を深めた
ムウは修復に役立つのだというが、はっきり言えば工具の類ではない
「サイキックには色々と得手不得手というのがあるんですよ、それはよくある話です
確かにテレポーテーションはシオン様だって認めてくださってますが、私はサイコメトリーは苦手なんです」
「サイコメトリーというと、触れた物体から記憶を読み取るというあれか?」
「ええ、あの能力に関して、あの方は他の追随を許さないほど優れた力を持っておられます」
成程、と首肯こうとして皆が一つの疑問に思い至る
「教皇がサイコメトリーを得意となさっているのは解った、だがその鏡と何の関係がある?」
「この鏡は対象物の記憶をビジョン化して投影するのですよ、死んで時間の経ってしまった聖衣などは
どうしても細かな意匠などが掴み辛い、それをサポートするために使おうと思いましてね
あの方に言わせればそんな事をしなくとも聖衣が教えてくれるだろうというのですが
それは結局、シオン様のサイコメトリーの能力に拠る所も大きいのですから」
アイオリアの問いにそう答えると、ムウはその鏡を壁に立てかける
「なぁ…それって聖衣の記憶だけしか読み取れないのか?」
ミロがそう口を開くと、怪訝そうに眉を寄せ首を横に振る
「対象物は聖衣とは限りませんよ?例えば今私達がいる、この白羊宮自体も記憶を読もうとすれば…」
そこまで言ってミロが言いたい事を悟ったらしく、少し悪戯めいた笑みを浮かべる
「成程…悪くありませんね…あの方々が若かった頃というのは私も興味がある」
「この場所の記憶を読み取るとするならば、こうやって鏡を床に置いて…この場に宿った記憶を遡るイメージを…」
そう言いながら床に置いた鏡に手を添えると、ムウはそれに小宇宙を注ぎ込む
「………おぬしら、何をやっておるのじゃ」
「あっ!老師、何故ここに?!」
その場にいた者達が振り返ると、少し呆れたような顔で腕組みをした童虎が歩み寄ってくるところだった
と、同時に鏡が甲高い音を放ち、辺りが真っ白な光に包まれる。
「シオンがしばらくは日本から戻れんので様子を見て来てくれと頼まれたのだが…何の悪戯をしよったのやら」
「ああ、出立の前にアテナに何やらお伺いを立てねばならない事があると仰られていたようですね」
目を離すと何をしでかすか分からないのは日本に居る青銅の少年達だけではない。シオンはそんな事を言っていたが
それに関しては冗談だろうと言いながら請け負ってきたのだが、あながち間違った予測ではなかったようだ
光が治まった周囲の様子を伺うと何らかのビジョンを映し出しているようだと理解できた
「……おい、ムウ…これ、いつの時代だ?」
「一応、前聖戦の始まる少し前くらいを意識したはずですけど…どう見てもシオン様ではありませんね…まさか違う場所?」
「ここの装飾の感じなどからみると白羊宮には違いないな、やっぱり時代を間違ったのではないか?」
ミロの言葉に困惑しながら返事をするムウだがアイオリアの言葉に困惑を深めた
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