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「思い出したのはつい最近なんだけどさ、シュラが三人目なんだよ」
「何が三人目なんだ」
いつもどおり、学校が終わり城戸邸を訪れた星矢は唐突にそう切り出した
同席する他の少年達に彼が唐突な発言をするのはいつもの事だと聞かされたシュラは
さほど驚いた様子は見せずただそれだけを返す
「だから思い出したんだって、修行時代の・・・大体3年位前かなぁ雑兵の奴らに絡まれてた時」
その言葉に、当時の事を思い出そうと試みる
確かにあの頃から聖域ではこの少年と彼の師匠である白銀聖闘士の少女は知られた存在であった
それは二人が東洋人、それも日本人の師弟であった事に由来する、ただそれだけの事だ
だから別に気に留めてなどいなかったが・・・と思い返していて一つの出来事が浮かび上がった
確かそれはちょっとした(表沙汰には出来ない)任務を終え、束の間の余暇を過ごしていた時だった
ロドリオ村と聖域に繋がる小さな道で言い争う声がして、そちらに足を向けてみれば
雑兵たちが、まだ候補生と思われる小柄な少年に因縁をつけていた
(くだらない奴らだ)浮かんだのは雑兵たちへの呆れと蔑みだったと思う
力の無い者が力ある者に押さえられる事に関しては当然の事だと思うが
まだ幼い子供に対していい大人が寄ってたかってということはさすがに気分がいいものではない
「お前達、たかが子供一人に何をしている、恥を知れ」
吐き捨てるように声をかけると、男達は「申し訳ありません!!」と言い残し逃げるように去っていった
「助かったよ、ありがとう」
その声に振り向いて、彼がよく話題に上っている日本から聖闘士を目指して聖域に来た少年だと気づく
もう一つ耳にした話ではアイオリアがこの少年に目をかけているらしいという話だった
「お前、アイオリアと親しくしているそうだな」
「・・・・・・?それがどうかしたのか?」
「いや、あいつがどういう立場なのか知っているのかと」
その言葉の意味が掴めなかったらしく、子供らしさの残る大きな目を2・3度瞬かせると首を傾げる
「さぁ?自分の事あんまり話さないし、魔鈴さんもアイオリアが本当はその辺の奴らなんか
相手にならないくらい強いって事しか教えてくれないし・・・けどいい奴だってのだけは俺だってわかるぞ」
そういうと少年は何か、自分の事の様に嬉しそうに笑う
「ここに来てから悪い奴じゃないだろうなって奴は何人かいたけど『いい奴だ』って思ったの
最初が魔鈴さんでアイオリアが二人目なんだ!こう見えても人を見る目には自信あるんだぜ」
どうみても年端もいかない子供なのに、と思うがあまりにも自信あり気に言うので毒気を抜かれてしまう
「そこまで信頼されればアイツも本望だろうな」
そう答えると、足早に十二宮へと戻ったのだった
「言ってる事は皮肉っぽいのに、何か自分が褒められたみたいな顔して笑うからさ
『あぁ、いい奴なんだな』って思ったんだよ、だからシュラが三人目ってわけ」
そう言って星矢はからからと笑う
一方のシュラはまさか自分がそんな顔をしていたなどと気付いてもいなかった
「俺はあの時は『聖衣を授かった頃のアイオリア達より小さな子供が、見る目には自信がある。
と断言するとはな』と思ったのだがな」
僅かばかり気恥ずかしくなったのを隠すように横を向いて嘯く
「おい!たしかアイオリアたちは7歳で聖衣を授かったって聞いたぞ!
あん時はそれより3つも年上だったんだからな!」
「お前たち三人は他の連中と比べても、小さくて子供っぽさが今以上だったんだ
シュラが間違うのは仕方ない」
「特に星矢は性格まで子供っぽいからね」
頬を紅潮させて抗議する星矢を紫龍と瞬がからかうように宥める
「しかし、自信がある。というだけあって、今でもその考えは変わってない・・・だろ?」
助け舟を出すように氷河が問うと、星矢は「おう!」と満面の笑みで返す
「やっぱり聖域ではシュラが三人目ってのも含めてな!」
どうしてそこでガッツポーズを?と思いながら肩を竦めて部屋を出たシュラは
偶々通りがかった(立ち聞きしていた)悪友に散々からかわれたのであった
磨羯宮で会った時にお互い気付いてなかったのはお約束
「何が三人目なんだ」
いつもどおり、学校が終わり城戸邸を訪れた星矢は唐突にそう切り出した
同席する他の少年達に彼が唐突な発言をするのはいつもの事だと聞かされたシュラは
さほど驚いた様子は見せずただそれだけを返す
「だから思い出したんだって、修行時代の・・・大体3年位前かなぁ雑兵の奴らに絡まれてた時」
その言葉に、当時の事を思い出そうと試みる
確かにあの頃から聖域ではこの少年と彼の師匠である白銀聖闘士の少女は知られた存在であった
それは二人が東洋人、それも日本人の師弟であった事に由来する、ただそれだけの事だ
だから別に気に留めてなどいなかったが・・・と思い返していて一つの出来事が浮かび上がった
確かそれはちょっとした(表沙汰には出来ない)任務を終え、束の間の余暇を過ごしていた時だった
ロドリオ村と聖域に繋がる小さな道で言い争う声がして、そちらに足を向けてみれば
雑兵たちが、まだ候補生と思われる小柄な少年に因縁をつけていた
(くだらない奴らだ)浮かんだのは雑兵たちへの呆れと蔑みだったと思う
力の無い者が力ある者に押さえられる事に関しては当然の事だと思うが
まだ幼い子供に対していい大人が寄ってたかってということはさすがに気分がいいものではない
「お前達、たかが子供一人に何をしている、恥を知れ」
吐き捨てるように声をかけると、男達は「申し訳ありません!!」と言い残し逃げるように去っていった
「助かったよ、ありがとう」
その声に振り向いて、彼がよく話題に上っている日本から聖闘士を目指して聖域に来た少年だと気づく
もう一つ耳にした話ではアイオリアがこの少年に目をかけているらしいという話だった
「お前、アイオリアと親しくしているそうだな」
「・・・・・・?それがどうかしたのか?」
「いや、あいつがどういう立場なのか知っているのかと」
その言葉の意味が掴めなかったらしく、子供らしさの残る大きな目を2・3度瞬かせると首を傾げる
「さぁ?自分の事あんまり話さないし、魔鈴さんもアイオリアが本当はその辺の奴らなんか
相手にならないくらい強いって事しか教えてくれないし・・・けどいい奴だってのだけは俺だってわかるぞ」
そういうと少年は何か、自分の事の様に嬉しそうに笑う
「ここに来てから悪い奴じゃないだろうなって奴は何人かいたけど『いい奴だ』って思ったの
最初が魔鈴さんでアイオリアが二人目なんだ!こう見えても人を見る目には自信あるんだぜ」
どうみても年端もいかない子供なのに、と思うがあまりにも自信あり気に言うので毒気を抜かれてしまう
「そこまで信頼されればアイツも本望だろうな」
そう答えると、足早に十二宮へと戻ったのだった
「言ってる事は皮肉っぽいのに、何か自分が褒められたみたいな顔して笑うからさ
『あぁ、いい奴なんだな』って思ったんだよ、だからシュラが三人目ってわけ」
そう言って星矢はからからと笑う
一方のシュラはまさか自分がそんな顔をしていたなどと気付いてもいなかった
「俺はあの時は『聖衣を授かった頃のアイオリア達より小さな子供が、見る目には自信がある。
と断言するとはな』と思ったのだがな」
僅かばかり気恥ずかしくなったのを隠すように横を向いて嘯く
「おい!たしかアイオリアたちは7歳で聖衣を授かったって聞いたぞ!
あん時はそれより3つも年上だったんだからな!」
「お前たち三人は他の連中と比べても、小さくて子供っぽさが今以上だったんだ
シュラが間違うのは仕方ない」
「特に星矢は性格まで子供っぽいからね」
頬を紅潮させて抗議する星矢を紫龍と瞬がからかうように宥める
「しかし、自信がある。というだけあって、今でもその考えは変わってない・・・だろ?」
助け舟を出すように氷河が問うと、星矢は「おう!」と満面の笑みで返す
「やっぱり聖域ではシュラが三人目ってのも含めてな!」
どうしてそこでガッツポーズを?と思いながら肩を竦めて部屋を出たシュラは
偶々通りがかった(立ち聞きしていた)悪友に散々からかわれたのであった
磨羯宮で会った時にお互い気付いてなかったのはお約束
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