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荒廃した路地の奥にある其処に足を踏み入れるのは二度目だ
あの美しい占い師のふりをした男に誘われたあの時と・・・今と・・・
大きく息を吐き、手の中の紙包みを開く
間違っているのは解っている、許されないことも承知の上だ
それでも・・・
ノックをしている、というにはあまりにも低い位置から聞こえる音にサガは眉を顰める
「横着をせずに、分けて運べば良いだろう」
ドアを開けてやり、星矢の抱える大量の書物を半分取り上げる
「けどさ、これを崩さないで運ぶのって、結構いいトレーニングになるんだぜ」
悪びれる様子もなく答えると、手近にあったサイドテーブルにそれらを置く
「で、これをそこの本棚に並べるんだろ?」
「ああ、日付の順番にだ・・・その前に休憩しよう、私もちょうど喉が渇いていたのだ」
星矢はその言葉に笑顔で同意する
(ようやく前に近い顔で笑うようになってきたな)
あの事件の後、快活な少年はほとんど笑うことがなく、笑ったとしても無理をした笑顔だった
「いつまでもヘコんでる訳にもいかないしさ」
「その通りだな、ではその本を片付けたら私が稽古をつけてやろう、今のお前は私の補佐官なのだし」
執務官として派遣されている目の前の人物が、非常に高い力量を誇る戦士であることを知る星矢は顔を輝かせた
そこに伝令の男が駆け込んできた
「スラムの一角に『傀儡師』と呼ばれる男がいるのですが・・・そこにシュラ殿が向かわれたと
そして調べてみたところその前に神殿に立ち寄られていたらしいのです・・・
更に調べてみたところ霊廟に納められていたアイオリア殿の遺髪が消えていたとの事です」
その言葉に二人の手にしていたカップがほぼ同時に床に落ち、硬質な音を立て砕ける
「愚かな・・・・・・!あれを捕らえるのはお前たちでは荷が重すぎる、私が出よう」
「俺も行く!俺はあんたの補佐官だし・・・それに・・・!」
「間に合ったにしても、間に合わなかったとしても辛い思いをすることになるぞ」
「解ってる」
強い視線で返してくる少年の決意は翻すことはかなわないだろうと悟り、答えるように首肯く
「・・・ならばついて来い、早くしなければ間に合わないかもしれない」
あの美しい占い師のふりをした男に誘われたあの時と・・・今と・・・
大きく息を吐き、手の中の紙包みを開く
間違っているのは解っている、許されないことも承知の上だ
それでも・・・
ノックをしている、というにはあまりにも低い位置から聞こえる音にサガは眉を顰める
「横着をせずに、分けて運べば良いだろう」
ドアを開けてやり、星矢の抱える大量の書物を半分取り上げる
「けどさ、これを崩さないで運ぶのって、結構いいトレーニングになるんだぜ」
悪びれる様子もなく答えると、手近にあったサイドテーブルにそれらを置く
「で、これをそこの本棚に並べるんだろ?」
「ああ、日付の順番にだ・・・その前に休憩しよう、私もちょうど喉が渇いていたのだ」
星矢はその言葉に笑顔で同意する
(ようやく前に近い顔で笑うようになってきたな)
あの事件の後、快活な少年はほとんど笑うことがなく、笑ったとしても無理をした笑顔だった
「いつまでもヘコんでる訳にもいかないしさ」
「その通りだな、ではその本を片付けたら私が稽古をつけてやろう、今のお前は私の補佐官なのだし」
執務官として派遣されている目の前の人物が、非常に高い力量を誇る戦士であることを知る星矢は顔を輝かせた
そこに伝令の男が駆け込んできた
「スラムの一角に『傀儡師』と呼ばれる男がいるのですが・・・そこにシュラ殿が向かわれたと
そして調べてみたところその前に神殿に立ち寄られていたらしいのです・・・
更に調べてみたところ霊廟に納められていたアイオリア殿の遺髪が消えていたとの事です」
その言葉に二人の手にしていたカップがほぼ同時に床に落ち、硬質な音を立て砕ける
「愚かな・・・・・・!あれを捕らえるのはお前たちでは荷が重すぎる、私が出よう」
「俺も行く!俺はあんたの補佐官だし・・・それに・・・!」
「間に合ったにしても、間に合わなかったとしても辛い思いをすることになるぞ」
「解ってる」
強い視線で返してくる少年の決意は翻すことはかなわないだろうと悟り、答えるように首肯く
「・・・ならばついて来い、早くしなければ間に合わないかもしれない」
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