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まさかあれほどのものとは思ってもみなかった
生前の記憶も仕草もそのままに、傀儡はそこにいたのだから
聞けば喪ったのは、皇女に仕える者たちが持っている特殊な力くらいだという
言ってしまえば、普通の人間となんら変わる事の無い存在ということなのか
「それでも俺は既に『人ならざるもの』でしかない」
何処か虚ろな様子で漏らした言葉、その言葉の中に微かな安堵が篭っていたようにを感じたのは何故だろう
「久しいな、貴方がここを訪れるのは」
そう声をかけられ、振り向くと文官の装束に身を包んだ少年が歩み寄ってくるところだった
「紫龍か、思ったよりも様になっているじゃないか」
「よしてくれ、やはりこういう堅苦しいものは性に合わない・・・それより今は霊廟には入れないぞ」
所属を示す髪留めを外し苦笑いを浮かべつつ返していたが、不意に真面目な顔に戻りそう告げる
「いや・・・霊廟に用は・・・」
「・・・会ったのだろう?あいつに・・・だとすればここを訪れたのは貴方自身が傀儡を求めていて
迷っているか心を決めたということなんだろう・・・それは仕方の無いことだと仰っていた」
何処か達観したような様子で答える、『傀儡』を求めることは仕方の無いこと
それを言ったのはおそらく、文官たちを束ねる彼の師だろう
「もし貴方がここを訪ねて来るような事があれば渡すようにと、預かっていた」
そう言って差し出したのは紙に包まれた何か
「それをどう使うかは貴方の心次第だと思う、どちらを選ぶにしても己で決めない事には後悔しか残らない
俺たちには心を決める手助けしか出来ないとも・・・」
生前の記憶も仕草もそのままに、傀儡はそこにいたのだから
聞けば喪ったのは、皇女に仕える者たちが持っている特殊な力くらいだという
言ってしまえば、普通の人間となんら変わる事の無い存在ということなのか
「それでも俺は既に『人ならざるもの』でしかない」
何処か虚ろな様子で漏らした言葉、その言葉の中に微かな安堵が篭っていたようにを感じたのは何故だろう
「久しいな、貴方がここを訪れるのは」
そう声をかけられ、振り向くと文官の装束に身を包んだ少年が歩み寄ってくるところだった
「紫龍か、思ったよりも様になっているじゃないか」
「よしてくれ、やはりこういう堅苦しいものは性に合わない・・・それより今は霊廟には入れないぞ」
所属を示す髪留めを外し苦笑いを浮かべつつ返していたが、不意に真面目な顔に戻りそう告げる
「いや・・・霊廟に用は・・・」
「・・・会ったのだろう?あいつに・・・だとすればここを訪れたのは貴方自身が傀儡を求めていて
迷っているか心を決めたということなんだろう・・・それは仕方の無いことだと仰っていた」
何処か達観したような様子で答える、『傀儡』を求めることは仕方の無いこと
それを言ったのはおそらく、文官たちを束ねる彼の師だろう
「もし貴方がここを訪ねて来るような事があれば渡すようにと、預かっていた」
そう言って差し出したのは紙に包まれた何か
「それをどう使うかは貴方の心次第だと思う、どちらを選ぶにしても己で決めない事には後悔しか残らない
俺たちには心を決める手助けしか出来ないとも・・・」
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